ジュエリーワークス

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エマイユジュエリーとは?

ヨーロッパの装飾文化の長い歴史の中でエマイユ(七宝)は様々な宝石と組み合わされて色彩豊なジュエリーを生み出してきました。
特に19世紀後半、アール・ヌーヴォー期にはルネ・ラリックをはじめとした優れた作家たちがエマイユを駆使して新しいジュエリーの世界を創りだし、 それまで宝石を主体とした価値観とは全く違ったジュエリーが数多く輩出されました。

In The Gardenコレクションは様々なエマイユ技法を用いて独特の世界観を生み出しています。

In The Garden を構成するジュエリー技法

エマイユ・プリカジュール [Pliqua a jour]

アール・ヌーヴォー期のジュエリーに多く用いられた透明感と色彩にあふれた技法です。 繊細な縁取りの金属を残して地板を透かし、そこにエマイユの釉薬を繰り返し焼き付けることで空間を埋めていくこの技法は、0.3㎜前後の線で文様を描く高度な 透かしの技術と、思い通りの色彩を生み出すために釉薬の焼成と研磨を数十回も繰り返す非常に手間のかかる作業から創りだされるのです。

エマイユ・バスタイユ [Bass taille]

地金部分に繊細な彫金模様を施し、模様が浮き出るよう釉薬を載せて焼き付ける技法です。デザインに合わせて形作られたジュエリーの空枠に様々な釉薬を載せて約800℃ の窯で焼き付けた後、表面を0.2~0.3㎜ほどの厚さに砥ぎあげ、色彩効果を高めます。最もポピュラーな技法で使い方によって様々な表現が可能で、エマイユの奥深さを秘めています。

パート・ド・ヴェール [Part de verre]

パート・ド・ヴェールの歴史は、メソポタミア遺跡からガラス出土品が発見されたほど古いものです。その後、アール・ヌーヴォー作家達の手によって復活しました。 立体的な造形を耐火石膏で型採り、ガラスの粒や釉薬をつめて高温で焼成する技法です。透明感を抑えて色彩の柔らかさを表現したこの技法はガラスの硬さを和らげ、やさしさを創出します。

色金 [Irogane]

アール・ヌーヴォー期のジュエリー作家たちが注目した日本独自の金属工芸技術の代表が色金です。日本古来の伝統的な金工技術である色金は“色揚げ”することで独特な美しい 輝きが生まれます。柿渋色・薄灰色・烏羽色など色金特有の色彩は、古くから装剣具・兜などに使われ、江戸時代や明治時代になると女性の帯留・簪などに使用されました。

有線七宝 [Croisonne]

土台となる胎の上に、厚さ0.04㎜のリボン状の金属で模様の輪郭を作り、そこに釉薬を指して焼成と研磨を繰り返す技法です。 日本の明治時代の花器や茶器は、世界的にも最高レベルの技術とデザインで注目を浴びました。 日本七宝の名品に使われたこの技術は、今では幻の技法といってもよいかもしれません。